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熊の木彫り
昭和時代に人の家に遊び行くと玄関を飾っていた熊の木彫りですが、全く価値がない物と考えてゴミとして廃棄しようとしていませんか?近年美術品として見直されておりブームがはじまってます。平成29年には札幌国際芸術祭で熊の木彫り展が開催されたり、芸術の森で札幌駅にもアイヌ木彫りが展示されている藤戸竹喜さんの作品が展示され話題になりましたね。
当リサイクルショップでも美術品として買い求められる方や海外バイヤーさんに人気のクラフトですので買取を強化しております。
特に数十年経過する明治時代や大正時代、昭和初期の古い木彫り熊は高額査定の可能性が高いので是非一度問い合わせてみてください。
店内には100体近い北海道様々な作家先生の熊の木彫りが販売されていますので、下記の木彫り熊の基礎知識を読んで、ご興味が出た方は是非遊びに来てください。
熊の木彫りの基礎知識
八雲町で工芸品として殿様が生んだ木彫り熊
旧尾張藩主徳川慶勝が、明治11年から、尾張徳川家の生計を立てさせるために旧藩士を移住させたことから開拓が進めたのが北海道道南の八雲町で、大正12年 徳川義親がスイスへ旅行に行った時にスイスのベルンで熊の木彫りを持ち帰えり、八雲町内で近隣のアイヌや働く農民たちの冬期の副業で「こういうクマの木彫りの工芸品を作らないか?良い物を作ったら買い取るよ」と提案したのが発祥です。
大正13年スイスのお土産熊をお手本に、八雲町の伊藤政雄がつ北海道の木彫り熊第1号を作り、八雲の町民により熊を擬人化したものが多くつくられました。
徳川農場では熊を飼育し、間近で熊を観察できる環境を整え、八雲で静養中だった日本画家の十倉金之を講師に本格的に木彫りの取り組みが始め、熊の毛並を表現する「毛彫り」と、面で熊を表現する「面彫り」。特に熊の背中の真ん中のコブから菊の花のように毛の流れを外側に開いて掘る「毛彫り」技法がうまれました。
昭和2年には展覧会で入賞して秩父宮雍仁親王に献上され、昭和初期には年間5,000体が生産されました。
徳川農場の職員が原木の仕入れや販売ルート確保を担当し、会員は制作に打ち込むことができる環境で、戦前の八雲では、木彫り熊を「熊彫」として商標登録をおこなって、ブランドとして販売していました。
スイスの木彫り熊の流れを汲むまず毛彫りは、最初は単純な彫り方をしていたが、指導にあたった日本画家の 十倉金之(十倉兼行)が、日本画の表現方法を取り入れ繊細な毛彫りの木彫り熊を彫ると、それが八雲における繊細な毛彫りの発祥となりました。その後八雲の毛彫り村信光・引間二郎・加藤貞夫といった作家が排出されました。
細かい毛彫り以外にもう一方、八雲の発祥の面彫りがあります。柴崎武司(号:他化志)または 柴崎重行(詳しくは後述)と思われます。お宝何でも探偵団でも何度も登場し何十万円もの鑑定がされていますね。
この彫り方はスイスの作品群にはなく、八雲で生まれ育った、八雲独自のスタイルであり長く受け継がれてきました。
八雲を代表する作家のひとり柴崎重行(号:志化雪・志化・志)は木彫り熊制作家というよりは、木彫家として高く評価されています。
※写真は当店で2017年12月に入荷した八雲の木浦さんの面彫り作品の写真です。
旭川での木彫り熊の発祥
旭川市では、昭和元年アイヌの松井梅太郎が木彫り熊を作ったことをきっかけに、木彫り熊の生産が盛んになり旭川の木彫り熊は、八雲の影響を受けている説と、旭川のアイヌ独自のものであり、熊への尊敬と畏れの気持ちとアイヌの伝統の木工技術からという説があります。
昭和11年に昭和天皇が北海道を行幸した際には、八雲と旭川からそれぞれ木彫り熊が献上されました。
昭和40年代の北海道新婚旅行ブーム
昭和30~40年(1960~70)代に新婚旅行で北海道に行く全国的な観光ブームがおこり木彫り熊の爆発的な需要が発生し機械による大量生産の木彫り熊が全道に広がり、商業ベースの大量生産や大量販売が、価格と価値を下げ、真の伝統文化や、「木彫りのこころ」を失わせてしまったのではないかと言われています。
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- 熊マスク
- ミニ熊
- 座り熊
- 木登り熊
- 擬人化した熊
- 這い熊
- 吠え熊
- 鮭背負い熊
- レリーフ熊
- 透かし彫り熊
- 熊ぼっこ
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- 茂木多喜治(北雪)
- 柴崎重行(志)
- 十倉兼行(兼行)
- 伊藤政雄
- 鈴木吉次(すの印あり)
- 上村信光
- 松井梅太郎
- 荒木伊佐夫&荒木清峰
- 堀井清司
- 加藤貞夫、貞光
- 床ヌブリ
- 平塚賢智
- 岡島太
- 引間二郎(木歩)
- 砂沢ビッキ
- 砂澤一郎
- 砂沢和夫
- 藤戸竹喜
- 根元勤(土龍)
- 本田数馬(千瓢)
- 昇雲三好純男
- 貝澤徹
- 内浦茂男
- ユクレップ
- 菊川善太郎
- 大和正幸(大和彫)
- 細越春松
- 賀上隼敬
- 鈴木吉次(す)
- 山下三五郎
- 美宏
- 三浦旭声
- 笹勇一(笹・北勇)
- 樺直義(樺作)
- 中里自寛